カラカス会議(読み)からかすかいぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラカス会議」の意味・わかりやすい解説

カラカス会議
からかすかいぎ

1954年3月、ベネズエラの首都カラカスで開催された第10回米州諸国会議のこと。アメリカ大陸への国際共産主義運動拡大の脅威に対処する、通称「反共決議」とよばれる決議がなされたことで有名である。当時、中央アメリカのグアテマラで民族主義的改革派のアルベンス政権が土地改革を断行し、この国で広大な土地を所有するアメリカのユナイテッド・フルーツ社(現チキータ・ブランズ・インターナショナル)の土地も接収した。これに対してアメリカ政府はアルベンス政権を共産主義政権ときめつけ、さらに同政権に国際的圧力をかけるため、ジョン・F・ダレス国務長官が自ら会議に出席して先の決議の提案を行った。決議の正式の名称は「国際共産主義の干渉に対する米州諸国の政治保全の保持に関する連帯宣言」で、会議に欠席したコスタリカを除くラテンアメリカ諸国のうち、グアテマラが当然反対し、メキシコアルゼンチン両国棄権、その他の国々が賛成した。

[加茂雄三]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「カラカス会議」の解説

カラカス会議(カラカスかいぎ)

1954年にベネズエラのカラカスで開かれた第10回パン・アメリカ会議。折からのグアテマラ革命進展に対し,47年に採択された米州相互援助条約(リオ協定)にもとづき国際共産主義による侵略として,米州諸国の政治的統一を維持するため連帯を決議した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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