日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
カラッチ(Agostino Carracci)
からっち
Agostino Carracci
(1557―1602)
イタリアの画家、版画家。8月16日ボローニャの大聖堂で受洗、1602年2月23日パルマで没した。ロドビコの従兄弟(いとこ)で、アンニーバレの兄。初めデニス・カルバルトDenys Calvaert(1540ころ―1619)などのマニエリズモ画家に学び、『聖フランチェスコの聖体拝領』(1581ころ・ロンドン・ナショナル・ギャラリー)などを制作する一方、版画家としてベネチア派画家の作品を数多く複製した。ロドビコの創設したアカデミアに参画、また弟アンニーバレと共同してファバ宮やマニャニ宮の壁画を制作。コレッジョやパルミジアニーノあるいはベネチア派の強い影響下からしだいに独自の古典主義的作風を確立し、有名な『聖ヒエロニムスの聖体拝領』(1594ころ・ボローニャ絵画館)を残す。1597~99年にアンニーバレに協力してローマのファルネーゼ宮の壁画装飾に従事した。1600年からはパルマのラヌッチオ公の委嘱でジァルディーノ宮に神話画を描いたが、死のため未完に終わった。
[篠塚二三男]
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