世界大百科事典(旧版)内のカラムの言及
【イスラム美術】より
…作画に際しては,ペンや筆の滑りをよくするために,卵白などを塗った紙の表面を,水晶やメノウで磨いてつや出しをした。用具としては,〈カラム〉と呼ばれる,葦の茎の先端を斜めに切ってとがらせたペンと,穂先にリスの尾,子ネコの喉,ヤギの腹などのにこ毛を用いた筆が使われた。顔料には,赤土,黄土,辰砂,ラピスラズリなどから作られた鉱物性顔料が使用され,樹脂,亜麻仁油,蜜蠟,膠,アラビアゴムが媒剤として使われた。…
【更紗】より
…しかし遺品のうえでは17世紀以降,特に18~19世紀のものが多く,それ以前ではカイロ南部オールド・カイロのフォスタートから発見された15世紀前後の更紗類が最も古い資料といえる。インド更紗の技術的な特色は,先媒染法(染料につける前に媒染剤で模様を描く)と蠟防染とが併用されることで,手描き更紗の場合はカラムkalamと呼ぶ鉄ペンによって,型更紗の場合は木型によって,媒染剤や蠟が布に置かれる。手描きと型を併用する場合もある。…
【書】より
…この点で,単なる形態的な美しさだけでなく,精神性の探究を目ざす日本と中国の書とは,おのずから視座を異にする。イスラムの書に用いられる伝統的な筆記用具はカラムqalam(葦ペン)で,葦の茎を斜めに切断して先端を細くとがらせるか,先端を扁平に削って割れ目を入れているが,ときには動物の毛を穂先にした筆を用いることもある。 アラビア文字の書体は,その形態から二つのカテゴリーに大別することができる。…
※「カラム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」