カレッジ・オブ・ヨーロッパ

大学事典 の解説

カレッジ・オブ・ヨーロッパ[仏]

ヨーロッパ研究を行う大学院大学。私立大学であるが,欧州連合(EU)の一機関の役割を果たしている。スペインの政治家で作家でもあったサルバドール・デ・マダリアーガ, S.de(Salvador de Madariaga, S.de,1886-1978)欧州統合を議論したハーグ会議(1948年)で提唱し,1949年にベルギーブリュージュに設立された。東欧革命後,ポーランドのナトリンに新キャンパスが設置された(1992年)。2013年現在,両キャンパスあわせて50ヵ国以上からの約420人の学生が学んでいる(教員は20ヵ国から230人)。学習期間は10ヵ月で,寮生活を通して国同士の相互理解,交流を深める。9月に入学,翌年6月に修了し,修士号(MA)が付与される。卒業後は欧州委員会などEUの各機関に就職する者が多い。デンマーク初の女性首相を務めたヘレ・トーニング・シュミットなど政治家として活躍している者も少なくない。授業言語は英語とフランス語で,EU法,欧州の政治・行政・経済などを中心としたカリキュラムが組まれている。学長は2013年からドイツ出身のイェルク・モナー(Jörg Monar)が務めている。
著者: 木戸裕

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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