カントン(John Canton)(読み)かんとん(英語表記)John Canton

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カントン(John Canton)
かんとん
John Canton
(1718―1772)

イギリス物理学者。服地織り職人の子として生まれ、初等教育を終えると親の下で働いた。その後、独学物理学を修め、認められて、1738年、ロンドンの学校経営者ワトキンスSamuel Watkinsに仕え、1745年以降、彼の学校の学校長を務めた。1747年ごろカントンは強力磁石をつくる新方式を開発し、実験家としての評価を得、1751年にはロイヤル・ソサイエティーからコプリー賞(物理・生物学に功績のあったものに贈られる)を受けた。またフランクリンの雷の実験をイギリスで初めて行い、雲が正負両方を帯電することを発見した。プリーストリーの『電気学の歴史と現状』(1767)発行の手助けもした。電気学以外では、水の圧縮性の実験的な証明があり、この業績で1765年に二度目のコプリー賞を受けた。

高山 進]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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