カンポ広場(読み)カンポヒロバ

デジタル大辞泉 「カンポ広場」の意味・読み・例文・類語

カンポ‐ひろば【カンポ広場】

Piazza del Campo》イタリア中部、トスカーナ州の都市シエナにある広場。旧市街の中心部に位置し、貝殻のような扇形で緩やかな傾斜がある。周囲には高さ102メートルの塔をもつプブリコ宮殿をはじめ、中世建造物が並んでいる。毎年夏に2度、パリオ祭りという伝統的な裸馬競馬が催される。1995年、シエナ大聖堂やプブリコ宮殿、カンポ広場がある旧市街は「シエナ歴史地区」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンポ広場」の意味・わかりやすい解説

カンポ広場
カンポひろば
Piazza del Campo

イタリア,シエナの中央広場。ベネチアサン・マルコ広場と並び,中世に造られた美しい広場として有名。丘陵尾根に発達した町の中心から大きく曲線を描いて延びる3本のメイン・ストリートの会合点の脇に,2本の道の弧に包まれる形で,谷に向って傾斜をもつ扇形の広場となっている。中世以来の市庁舎パラッツォ・プッブリコがあり,これと高さをそろえたシエナ独特の赤褐色の建物が取巻く。中世のシエナは厳重な建築規制によって広場周辺の景観を整えており,1398年の市参事会の報告書は「この世で最も美しい広場」と自賛している。当初からさまざまな祝祭の場に用いられたが,現在は夏季に開催される競馬パリオの会場として知られる。

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世界の観光地名がわかる事典 「カンポ広場」の解説

カンポひろば【カンポ広場】

イタリア中部の都市シエナ(Siena)の中心部にある広場。丘の頂上にあるシエナ大聖堂を少し下ったところにある、穏やかな傾斜のある扇状の美しい広場で、この広場を中心に、丘の尾根に3つの通りが伸びている。この広場は、毎年夏、パリオ祭の競馬競技が行われる場所としても有名である。広場の周囲には、現在市庁舎として使われている、13世紀から14世紀半ばにかけて建設されたプブリコ宮殿が、その宮殿の左端にはマンジャの塔がそびえている。400段の階段の塔の頂上からはシエナの市街を見渡すことができる。シエナは中世、トスカーナ地方の中心としてフィレンツェと肩を並べる芸術の中心で、フィレンツェのライバル都市である。この広場の周辺には、当時の隆盛を今に伝える遺構佇まいが残っている。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のカンポ広場の言及

【広場】より

…中世広場のおもなものはその都市の成立を裏づけるように教会前広場,市庁舎前広場,ギルドホール前広場,市場広場であり,おのおの独立していたり併用であったりした。ミュンヘンの市場広場であるマーリエン広場やシエナの市庁舎前のカンポ広場などドイツやイタリアの中世広場がよく知られている。ルネサンス期の広場は周囲の建物に装飾を施したり,彫刻や噴水を置く一方で,広場のプランを幾何学的形状にすることによって空間の美的な秩序化を図ろうとしたものが多く,とくにイタリアで発展した。…

※「カンポ広場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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