ガジャマダ(英語表記)Gajah Mada

改訂新版 世界大百科事典 「ガジャマダ」の意味・わかりやすい解説

ガジャ・マダ
Gajah Mada
生没年:?-1364

インドネシア,東部ジャワを中心に13~15世紀に君臨したマジャパイト王国最盛期の宰相。この国第2代の王ジャヤナガラの時代に内乱が起こり,王朝は一時危機に陥ったが,親衛隊長ガジャ・マダの活躍によって事態は収拾された。その後,彼は次第に昇進し,ジャヤナガラの死(1328)後,その異母妹トリブーバナ,さらにその子ラージャサナガラ(別名ハヤム・ウルク)の都合3代の王に仕え,1330年にはマパティ(宰相)に就任し,実に34年間その職にあった。31年に東部ジャワの反乱を鎮定した彼は海洋帝国建設の誓いを立て,バリ島をはじめ周辺諸地域の征服に着手した。宮廷詩人プラパンチャは年代記《ナーガラクルターガマ》の中でその領土ないし属国が現在のインドネシアの大部分マレー半島のほぼ全域を含むものと記しているが,実際に征服したのは東部ジャワ,マドゥラ,バリの3島だけとする説もある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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