日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ガスリー(Sir Tyrone Guthrie)
がすりー
Sir Tyrone Guthrie
(1900―1971)
イギリスの演出家。ケンブリッジに生まれる。地方の劇団で俳優、演出の経験を積んだあと、ロンドン上演のブライディー作『解剖学者』(1931)などで認められ、1933年にオールド・ビック史上最年少の演出家になった。以後同劇場と数回にわたって契約を結び、39~45年には同劇場および姉妹劇場サドラーズ・ウェルズの総監督に就任した。第二次世界大戦後はアメリカなどでも活躍し、ミネアポリスに商業主義を排した劇場を創設(1963)するのに尽力。のちこの劇場はガスリー劇場と改称された。彼の演出は大胆で独創性に富み、『ハムレット』その他シェークスピア劇の現代服による上演で話題になった。61年にナイトに叙せられた。
[中野里皓史]