ガラホナイ国立公園(読み)ガラホナイコクリツコウエン

デジタル大辞泉 「ガラホナイ国立公園」の意味・読み・例文・類語

ガラホナイ‐こくりつこうえん〔‐コクリツコウヱン〕【ガラホナイ国立公園】

Garajonayカナリア諸島中のゴメラ島にあるスペイン国立公園。標高1487メートルのガラホナイ山を中心に島全体が台地となっている。大陸から隔絶しているため、氷河期以前の原生林の姿を現在も見ることができる。また、島固有の植物も数多い。1986年、世界遺産自然遺産)に登録された。

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世界遺産詳解 「ガラホナイ国立公園」の解説

ガラホナイこくりつこうえん【ガラホナイ国立公園】

1986年に登録された世界遺産(自然遺産)。モロッコ沖の大西洋上にあるスペイン領(自治領)カナリア諸島(カナリアス諸島)の西部、ゴメラ島(ラ・ゴメラ島)にある国立公園である。ゴメラ島は常夏火山島で、同島の主峰ガラホナイ山(標高1487m)とその周辺の約40km2の照葉高木の森林地帯を中心としたエリアが国立公園に指定されている。ここは、太古にヨーロッパ大陸全土を覆った氷河の影響を受けなかったため、また、大陸から隔絶した位置にあることから、氷河時代を生き延びた小動物や植物の固有の生物種が多く、世界的にも貴重な存在になっている。こうした貴重な生物相と、その優れた自然景観などから、世界遺産として登録された。◇英名はGarajonay National Park

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百科事典マイペディア 「ガラホナイ国立公園」の意味・わかりやすい解説

ガラホナイ国立公園【ガラホナイこくりつこうえん】

大西洋上にあるスペイン領カナリア諸島のひとつゴメラ島にある国立公園。この島は火山島で,国立公園は標高1487mの最高峰ガラホナイ山一帯の39.84km2。年間1000mmもの雨量があり,気候も温暖で,公園の約70%が月桂樹などの照葉樹林におおわれている。ゲッケイジュバトやカナリーバトなどの固有種生息。植物も70%が固有種で,新生代第三紀とほぼ同じ植物相が見られる。500万年から100万年前には地中海沿岸に広く分布していた植物も現在はカナリア諸島と近隣の島にしか残っていない。1986年,世界自然遺産に登録。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガラホナイ国立公園」の意味・わかりやすい解説

ガラホナイ国立公園
ガラホナイこくりつこうえん
Garajonay National Park

アフリカ大陸の北西,大西洋上に浮かぶスペイン領カナリア諸島のゴメラ島中央部に位置する国立公園。 1980年指定。面積 40km2。乾燥した島南部とは対照的に,北部は貿易風の影響で湿度が高く,豊かな降水をもたらし,雨と霧から水分を補給した緑濃い森に覆われている。照葉高木林とその着生植物としてシダ類コケ類,ツル性植物が密生しており,植物相の約7割が固有種となっている。また,その植生は約 500万年前から 170万年前の太古の姿をとどめており,現在の地中海地域の植物相の原型になっている。植物に比べ数は少ないが,ゲッケイジュバトやカナリアバトといった固有の鳥類も生息する。 1986年世界遺産の自然遺産に登録。

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