ガリオアエロア資金(読み)ガリオアエロアしきん

改訂新版 世界大百科事典 「ガリオアエロア資金」の意味・わかりやすい解説

ガリオア・エロア資金 (ガリオアエロアしきん)

〈占領地域統治救済資金Government and Relief in Occupied Areas〉(略称ガリオアGARIOA)と〈占領地域経済復興資金Economic Rehabilitation in Occupied Areas〉(略称エロアEROA)の総称。いずれも第2次大戦後,アメリカが占領地に対して与えた資金ないし援助である。ガリオアは主として疾病・飢餓を防いで社会不安を除き,もって占領行政を円滑ならしめる目的で,アメリカ政府の予算から1947-50年度(アメリカ会計年度)にかけて支出された。この資金で食料,医療品,肥料などが供給され,日本ではその代金は見返資金として積み立てられた。エロアは,冷戦の展開に応じ,単なる救済でなく経済の復興と強化を目的として,アメリカ政府の予算から1949,50年度(アメリカ会計年度)の2回,日本や韓国を対象として支出された。この資金では鉄鉱石石油石炭,機械などの基礎資材が輸入された。両資金とも当初は贈与とされていたが,結局債務ということになり,日本の場合合計18億ドルにのぼった資金の返済交渉は,1954年以来続き,61年に妥結した。
対日占領政策
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世界大百科事典(旧版)内のガリオアエロア資金の言及

【フルブライト交流計画】より

…この計画によってアメリカに赴いた日本人奨学生の数は4601人(1952‐83),また日本を訪れたアメリカ人奨学生は1199人に達している。なお,フルブライト交流計画に先だち,アメリカの日本占領政策の一環として,ガリオア資金(ガリオア・エロア資金)によるアメリカへの留学制度(1949‐52,計1097人)があった。【有賀 貞】。…

※「ガリオアエロア資金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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