日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ガン(Thom Gunn (Thomson William Gunn))
がん
Thom Gunn (Thomson William Gunn)
(1929―2004)
イギリスの詩人。ケント州、テムズ川下流の港市グレーブゼンドに、ジャーナリストの息子として生まれる。ケンブリッジのトリニティ・カレッジに学ぶ。1954年以降はアメリカ、サンフランシスコに住み、バークリーのカリフォルニア大学で教えた。アメリカ現代詩の思想とスタイルに触れ、初期に受けた実存主義の影響と相まって、現代人のなかに潜む原初的要素の追求を試みた。詩集に『動きの感覚』(1957)、『悲しき指導者たち』(1961)、『ふれあい』(1967)、『モーリュ(魔草)』(1971)、『ジャック・ストローの城(影薄き男の城)』(1976)、『喜びの交流』(1982)、『寝汗をかく男』(1992)、『全詩集』(1993)、『キューピッド親方』(2000)がある。
[羽矢謙一]
『『世界名詩集大成10 イギリス2』(1959・平凡社)』▽『『世界文学全集35 現代詩集』(1968・集英社)』