ガンサー(英語表記)John Gunther

改訂新版 世界大百科事典 「ガンサー」の意味・わかりやすい解説

ガンサー
John Gunther
生没年:1901-70

アメリカジャーナリストシカゴ生れ。シカゴ大学卒業後,《シカゴ・デーリー・ニューズ》の海外特派員。1936年広範な取材と,膨大な文献調査とを混合した《ヨーロッパ内幕Inside Europe》を書き,ルポルタージュ新局面を開き,世界的に著名ライターとなる。以降《アジアの内幕》(1939),《アメリカの内幕》(1947),《アフリカの内幕》(1955)など多くの〈内幕もの〉を書くが,39-42年にはNBCネットワークのコメンテーターでもあった。病と闘いながら死ぬ息子を書いた《死よ驕(おご)るなかれ》(1949)も広く読まれる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガンサー」の意味・わかりやすい解説

ガンサー
がんさー
John Gunther
(1901―1970)

アメリカのジャーナリストで、内幕もの多数を著した。シカゴに生まれ、シカゴ大学を卒業。『シカゴ・デーリー・ニュース』の記者としてヨーロッパに駐在、1937年からはインド、中国、日本を旅行、1940年から中南米を旅し、第二次世界大戦中はヨーロッパ戦線を報道した。この間『ヨーロッパの内幕』(1936)、『アジアの内幕』(1939)、『ラテンアメリカの内幕』(1941)、続いて『ソビエトの内幕』(1958)、『現代ヨーロッパの内幕』(1961)を書いて有名となり、その多くは邦訳された。また1951年には『マッカーサーの謎(なぞ)』も書いたが、いずれも内容は大部分が直接取材によるもので、他にみられない情報が数多く盛り込まれている。このほか、息子の死をテーマにした『死よ驕(おご)るなかれ』(1949)、『回想ルーズベルト』(1950)などがあり、1962年には『ガンサーの内幕』と題する書で、取材と執筆の過程を明らかにした。

[伊藤慎一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガンサー」の意味・わかりやすい解説

ガンサー
Gunther, John

[生]1901.8.30. シカゴ
[没]1970.5.29. ニューヨーク
アメリカのジャーナリスト。 1922年から『シカゴ・デーリー・ニューズ』の特派員をヨーロッパ各地でつとめ,36年『ヨーロッパの内幕』 Inside Europe Todayを発表してルポルタージュに新局面を開いて,世界的名声を獲得した。その後6冊の「内幕」ものを書き,さらに自伝風な『ガンサーの内幕』も書いている。病と闘いながら死ぬ息子を描いた 49年の『死よ驕るなかれ』も名作として知られる。

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百科事典マイペディア 「ガンサー」の意味・わかりやすい解説

ガンサー

米国のジャーナリスト。世界政治に関する一連の内幕物で著名。シカゴ生れ。シカゴ大卒業後《シカゴ・デーリー・ニューズ》特派員として世界各地を回り,NBCネットワークの解説者にもなる。《ヨーロッパの内幕》(1936年)以来,《アジアの内幕》《アメリカの内幕》など多くの内幕物を書き,《内幕物物語》(1962年)でその取材過程を説明している。

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