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キアリーⅡ型奇形(アーノルド・キアリー奇形) きありーにがたきけいあーのるどきありーきけいChiari type II Malformation

家庭医学館の解説

きありーにがたきけいあーのるどきありーきけい【キアリーⅡ型奇形(アーノルド・キアリー奇形) Chiari type II Malformation】

[どんな病気か]
 延髄(えんずい)、第4脳室(のうしつ)、小脳(しょうのう)は、頭蓋腔(ずがいくう)後部の後頭蓋窩(こうずがいか)という部位に納められています。
 この後頭蓋窩は、頭蓋底(ずがいてい)の一部を構成していて、その中央に大後頭孔(だいこうとうこう)と呼ばれる大きな孔(あな)があり、これは、頸椎(けいつい)と相接していて、後頭蓋窩と頸椎管腔(けいついかんくう)との連絡孔となっています。
 ところが、延髄、第四脳室、小脳が大後頭孔を介して頸椎管腔内に入り込んでしまっていること(この状態をヘルニアと呼ぶ人もいる)があります。これがキアリーⅡ型奇形で、脊髄髄膜瘤(せきずいずいまくりゅう)の子どものほとんどにみられます。
 キアリーⅡ型奇形それ自体は延髄の機能を障害しますが、また一方で、脊髄髄膜瘤に合併する水頭症(すいとうしょう)の原因の1つとなります。すなわち、このヘルニアが、第四脳室からくも膜下腔(まくかくう)に流出する髄液(ずいえき)の流れ(コラム「髄液の産生と吸収のバランス」)を障害するのです。
[原因]
 原因は明らかではありませんが、妊娠前から葉酸(ようさん)、ビタミンB12を服用すると、脊髄髄膜瘤の発生頻度が著しく低下することが知られていることから、このビタミンが、原因になんらかの関連があるものと思われます。
[症状]
 延髄の機能が障害されるために、生命予後と密接に関連する誤嚥(ごえん)、喘鳴(ぜんめい)、無呼吸発作(むこきゅうほっさ)が3分の1の患児におこります。
 このような延髄の症状は、水頭症の進行とともに悪化します。
[検査と診断]
 頭部のCTやMRIで重症度、合併する水頭症や、ほかの脳脊髄の形態異常を診断することができます。
[治療]
 延髄機能障害と水頭症が合併する場合は、まず、水頭症の治療を行ないます。
 水頭症の治療法には、脳室腹腔短絡術(のうしつふくくうたんらくじゅつ)、脳室胸腔(きょうくう)短絡術、脳室髄液外導出術などがありますが、患児の状態をみて治療法を選択します。
 水頭症の治療を行なっても、延髄の状態が改善しないときには、延髄に対する圧迫を解除するため、頸椎の椎弓(ついきゅう)切除術を行なうこともあります。
 気管内挿管(きかんないそうかん)を行なって呼吸を管理しながら内科的に治療することも少なくありません。
●予後
 脊髄髄膜瘤の位置と程度に応じて、膀胱直腸障害(ぼうこうちょくちょうしょうがい)、下肢(かし)の運動障害がおこります。車いすの生活となる場合もあります。
 延髄機能障害と水頭症の管理が適切に行なわれた場合には、知的な発達は良好で、IQ90以上が期待できます。

出典|小学館家庭医学館について | 情報

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