キャッテル(Raymond Bernard Cattell)(読み)きゃってる(英語表記)Raymond Bernard Cattell

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

キャッテル(Raymond Bernard Cattell)
きゃってる
Raymond Bernard Cattell
(1905―1998)

イギリス育ちのアメリカの心理学者。スタッフォードシャーの生まれ。ロンドン大学化学専攻、さらにスピアマンのもとで心理学を研究し1929年学位を取得。しばらくイギリスで働いたのち、1937年にアメリカに渡りコロンビア大学などを経て1944年からはイリノイ大学教授。彼のパーソナリティー理論は、スピアマンやサーストン因子分析法を利用してパーソナリティーの源泉的特性を確定しそれを測定しようとするもので、信頼性の高い源泉的特性としては、たとえば、(1)分裂性―回帰性、(2)一般的精神力―精神欠陥、(3)情緒的安定―情緒的不安定、(4)支配性―従属性などがあげられる。そのパーソナリティー発達の理論は精神分析的な考え方の影響が強く、臨床的な神経病理的パーソナリティーの所見を含む方向をとっている。

[宇津木保]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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