キャリヤーの補償(読み)キャリヤーノホショウ

化学辞典 第2版 「キャリヤーの補償」の解説

キャリヤーの補償
キャリヤーノホショウ
carrier compensation

担体補償ともいう.半導体中の電子または正孔濃度を,アクセプターまたはドナーを加えることによって変化させることをキャリヤーの補償とよぶ.半導体中にドナーとアクセプターが共存する場合は,ドナー準位内の電子がアクセプター準位を埋めて両準位ともイオン化するため,濃度の多いほうの準位から両準位の濃度差に相当するキャリヤーが励起され,電気抵抗を制御することができる.したがって,あるドナー(またはアクセプター)濃度をもつn型p型半導体に,その濃度以上のアクセプター(ドナー)を加えることによりp型,n型半導体に逆転させることができ,ダイオードトランジスター製作に重要な役割を果たす.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android