キャンベラ(英語表記)Canberra

翻訳|Canberra

精選版 日本国語大辞典 「キャンベラ」の意味・読み・例文・類語

キャンベラ

(Canberra) オーストラリア連邦首都マランビジー川に沿う、なだらかな起伏平原に、一九一三年から建設が始められた計画都市円形六角形八角形広場中心環状放射状街路が組み合わされ、機能的に地区をわけて、整然とした市街を形成している。連邦政府直轄地。

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デジタル大辞泉 「キャンベラ」の意味・読み・例文・類語

キャンベラ(Canberra)

オーストラリアの首都。同国南東部にある連邦直轄地。旧首都メルボルンシドニーとで首都誘致争いが起こったため、両市のほぼ中間地点に1911年から建設。27年に臨時首都のメルボルンから遷都人口行政区35万(2008)。カンベラ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キャンベラ」の意味・わかりやすい解説

キャンベラ
Canberra

オーストラリアの首都。同国南東部,ニューサウスウェールズ州が取り囲む内陸に位置し,タスマン海に面するジャービスベイとともにオーストラリアンキャピタルテリトリー ACTを構成する。グレートディバイディング山脈の 1900m級の山々の裾野に広がり,マランビジー川の支流モロングロ川が市街地を流れる。高地に囲まれ,夏は暑く,冬は寒い。また降水量は少ない。1908年に連邦首都の建設地に選定され,1911年の国際設計競技に当選したアメリカ人建築家ウォルター・バーリー・グリフィンの都市計画案を基礎に 1913年に建設が始まり,1927年5月9日連邦議会がメルボルンから移転して正式に首都となった。第2次世界大戦後,急速に建設が進み,モロングロ川をせき止めた人造湖バーリーグリフィン湖(1963)をはじめ,人口増加に伴いウェストンクリーク(1962),ベルコネン(1966),タガラノン(1975)などの衛星都市が建設された。連邦政府の直轄下にあったが,1989年自治を一部担う ACT政府が発足した。市街地と緑地が計画的に配置され,美しい庭園都市として知られる。ストロムロ山天文台(1924),オーストラリア国立図書館(1968),オーストラリア連邦最高裁判所(1981),オーストラリア国立美術館(1982),聖ジョン・バプティスト教会(1845),オーストラリア国立戦争記念館(1941),連邦議会議事堂(1988)および 1927~88年に使用された旧連邦議会議事堂があるほか,オーストラリア国立大学(1946)をはじめとする高等教育機関,オーストラリア連邦科学産業研究機構,オーストラリア国防専門学校が立地する。人口 35万5596(2011)。

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改訂新版 世界大百科事典 「キャンベラ」の意味・わかりやすい解説

キャンベラ
Canberra

オーストラリアの首都。シドニーの南西300km(道路距離)の高原(標高約600m)に位置する。人口33万(2005)。オーストラリアン・キャピタル・テリトリーと呼ばれる連邦政府直轄地区(面積2395km2)の北東部にある。いわゆる計画都市として知られ,1911年の設計コンクール当選作を原案に13年に建設が開始され,27年国会議事堂完成をもって正式に首都となった。しかし都市建設の歩みはきわめて遅く,建設が本格化したのは58年以後であり,人造湖の完成や,連邦政府機能の大部分のメルボルンからの移転は,60年代に入ってからであった。また,原計画(人口2万5000規模)は何回も手直しされ,現在は将来人口100万を想定した新計画のもとに,旧市街地のような幾何学的パターンにこだわらず,居住環境を重視した新市街地の建設が進められている。連邦政府機関,各国大使館,オーストラリア国立大学などがある。地方自治は認められていない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キャンベラ」の意味・わかりやすい解説

キャンベラ
きゃんべら
Canberra

オーストラリアの首都。シドニーの南西、道路で300キロメートル、オーストラリアン・キャピタル・テリトリー北東部の高原(標高約600メートル)に位置する。人口31万1518(2001)、都市圏人口34万7100(1997)。平均気温は最暖月(1月)20.4℃、最寒月(7月)5.7℃、年降水量は633ミリメートル。連邦政府諸機関、各国大公使館、オーストラリア国立大学(1946創立)などがあり、連邦政府雇用者が就業人口の2分の1余りを占める。地方自治体はなく、連邦政府が直接都市行政にあたり、土地私有は認められていない。

 いわゆる計画都市として知られ、1911年の設計コンクール当選作を原案に、数回の手直しを経て建設が進められ、27年国会議事堂の完成によって公式に首都となった。しかし、行政の非能率、都市計画の手直し、戦争などにより、都市建設の歩みは遅く、ようやく58年以後、首都建設公団の設立や連邦機能の拡大に伴って建設が本格化し、60年代に人造湖を含む当初の計画がほぼ完成した。当初の計画(人口2万5000人規模)は人口25万人規模に拡大、さらに100万人規模に拡大された。この新しい計画のもとに、旧市街地のような幾何学的パターンにこだわらず、居住環境を重視した新市街地の建設が進められた。

[谷内 達]

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百科事典マイペディア 「キャンベラ」の意味・わかりやすい解説

キャンベラ

オーストラリア南東部,シドニーの南西約240kmの丘陵に位置する連邦首都。1908年首都地域として選定,世界中から公募した都市計画案の中から,米国のW.B.グリフィンの設計案を採用,1913年建設を開始した計画都市。行政区,住宅区,工場区などに分かれ,人工湖を公園に配置,クモの巣状の街路が各区を連結。1927年メルボルンから首都が移された。大学(1946年創立),国立図書館がある。人口100万人を想定した新都市計画が進行中。35万6586人(2011)。
→関連項目オーストラリア

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