キヨスミウツボ(読み)きよすみうつぼ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キヨスミウツボ」の意味・わかりやすい解説

キヨスミウツボ
きよすみうつぼ / 清澄靫
[学] Phacellanthus tubiflorus Sieb. et Zucc.

ハマウツボ科(APG分類:ハマウツボ科)の多年草。タマアジサイやムラサキシキブなどに寄生する。全体が白色で高さ5~10センチメートル。密に小さな鱗片葉(りんぺんよう)に覆われる。6~7月、茎の先に頭状に集まって5~10個の花を上向きに開く。花冠は白色でのちに黄色になり、長い筒状で先は5裂する。北海道、本州、四国、九州の丘陵帯から山地帯の林内に生え、樺太(からふと)(サハリン)、ウスリー、朝鮮半島、中国にも分布する。名は、千葉県の清澄(きよすみ)山にあるのでいい、ウツボは花形弓矢を入れる靫を思わせるのでいう。

 キヨスミウツボ属は花は頭状につき、萼(がく)は2片で離生する。東アジアに1属1種が分布する。

[高橋秀男 2021年9月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のキヨスミウツボの言及

【ハマウツボ(浜靫)】より

…ゴマノハグサ科に近縁であるが,子房は1室で4個の胎座に多数の小さな胚珠がつく。日本には4属7種が知られ,ハマウツボ属3種,ナンバンギセル属2種,キヨスミウツボ属1種,オニク属1種がある。 キヨスミウツボ(清澄靫)Phacellanthus tubiflorus Sieb.et Zucc.(イラスト)は,カシ類やアジサイ類などの木の根に寄生し,山地の木陰に生えるハマウツボ科の多年草。…

※「キヨスミウツボ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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