キングズリー(Charles Kingsley)(読み)きんぐずりー(英語表記)Charles Kingsley

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

キングズリー(Charles Kingsley)
きんぐずりー
Charles Kingsley
(1819―1875)

イギリス国教会イングランド教会)の聖職者、社会改革者、作家モーリスの影響を受けて社会改革に強い関心をもち、協同主義に基づくキリスト教社会主義運動を始め、数多くの小説を通して啓蒙(けいもう)に努めた。オックスフォード運動には否定的で、ローマ・カトリック教会に改宗したニューマンを批判したが、ニューマンは『わが生涯弁明』(1864)によって反論した。児童文学分野では『水の子』(1863)などで知られ、日本でも、片山潜(かたやません)による最初セツルメント事業の拠点であるキングスレー館建設(1897)で知られるように、初期社会主義運動に影響を及ぼした。

八代 崇 2018年1月19日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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