ギガンテス(英語表記)Gigantes

デジタル大辞泉 「ギガンテス」の意味・読み・例文・類語

ギガンテス(Gigantes)

ギリシャ神話で、大地の女神ガイアから生まれた巨人族オリンポスの神々と戦って敗れた。
[補説]単数形はギガスGigas)。

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改訂新版 世界大百科事典 「ギガンテス」の意味・わかりやすい解説

ギガンテス
Gigantes

ギリシア神話の巨人族。英語giant語源で単数形はギガスGigas。天空神ウラノスがその子クロノスに陽物を切り落とされたとき,滴り落ちた血で大地ガイアがみごもって生まれた。彼らは岩や木の株を武器にしてゼウスの率いるオリュンポス神に戦いを挑んだが,ヘラクレスを味方につけた神々に滅ぼされ,各地の火山の下に埋められたという。ギガントマキアGigantomachiaと呼ばれるこの戦いは群像彫刻のかっこうの主題となり,デルフォイの〈シフノス人の宝庫〉のフリーズ(前6世紀)や,小アジアのペルガモンの大祭壇(ヘレニズム期)にみごとな浮彫を残している。ギガンテスは古くは人間の姿に描かれたが,のちには下半身が竜の姿をした怪物に表現された。
巨人
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギガンテス」の意味・わかりやすい解説

ギガンテス
Gigantes

ギリシア神話の巨人族。クロノスがウラノスを去勢したとき,傷口から流れ出た血によって妊娠した大地女神ガイアが,ティタンたちをタルタロスに閉じ込めたゼウスとオリュンポスの神々を罰するため,その敵として生み出したとされる。生れるとすぐ火のついた大木巨岩を武器として神々に挑戦したが,彼らを倒すために人間の協力が必要なことを知った神々は,ヘラクレスの助けをかり,大激戦の末についにこの強敵皆殺しにしたという。

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百科事典マイペディア 「ギガンテス」の意味・わかりやすい解説

ギガンテス

ギリシア神話の巨人族。単数形ギガスGigas(英語ではジャイアントGiant)。ウラノスが地上に倒れたとき流れた血とガイアから生まれたという。ゼウスを筆頭とするオリンポス神族と戦って敗れた。この戦闘ギガントマキアと称し,ポピュラーな画題。
→関連項目巨人

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デジタル大辞泉プラス 「ギガンテス」の解説

ギガンテス

ロールプレイングゲーム、「ドラゴンクエスト」シリーズに登場するモンスター。初登場は「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギガンテス」の意味・わかりやすい解説

ギガンテス
ぎがんてす

ギガス

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世界大百科事典(旧版)内のギガンテスの言及

【巨人】より

…(2)新秩序の形成に抵抗する荒ぶる古神としての巨人伝説。古代ギリシア神話のギガンテスティタン,グアテマラのキチェー族原住民のポポル・ブフ神話のカブラカンCabracánやシパクナーXipacnáなどがこれに当たる。(3)15世紀までのヨーロッパ人が遠いアジア地方の住民について抱いたイメージのような,未知の異民族に関する異形神話。…

【ヘレニズム美術】より


[彫刻]
 ペルガモンの〈ゼウスの大祭壇〉(ペルガモン美術館)は,コの字形の基部の周囲を高さ2.3m,長さ約120mをもってめぐる浮彫フリーズで飾られていた。巨人族(ギガンテス)を倒すオリュンポスの神々を描く,ほとんど丸彫に近い浮彫像の躍動感あふれる力強い形態は,まさにヘレニズム彫刻の真髄を示している。この祭壇浮彫に匹敵する単独像としては,サモトラケに出土した勝利の女神像,いわゆる《サモトラケのニケ》(ルーブル美術館)をあげることができる。…

※「ギガンテス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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