ギブソン(Bob Gibson)(読み)ぎぶそん(英語表記)Bob Gibson

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ギブソン(Bob Gibson)
ぎぶそん
Bob Gibson
(1935―2020)

アメリカのプロ野球選手(右投右打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のセントルイス・カージナルスに1959年から1975年まで所属し、右腕投手として活躍した。「オマハ超特急」とよばれた快速球と、相手打者の内角を攻める強気な投球で、1960年代最高の投手と称された。

 11月9日、ネブラスカ州のオマハに生まれる。1961年から先発ローテーションの一人に定着。19勝12敗、防御率3.01を残した1964年には、対ニューヨーク・ヤンキースとのワールド・シリーズで、投球回数27回で三振31を奪うシリーズ新記録(当時)を樹立して、優勝に貢献した。1968年には22勝9敗の成績をあげ、大リーグ史上3位(当時)となる防御率1.12を残し、投球回数304と3分の2回で三振268を奪い、サイ・ヤング賞(最優秀投手賞)と最優秀選手賞(MVP)を受賞した。同年の対デトロイト・タイガースとのワールド・シリーズには、第1戦と第4戦で勝利投手になり、シリーズ通算7連勝の新記録(当時)を達成、第7戦は敗戦投手になったが、シリーズ3試合で自らがもつシリーズ記録を更新する35三振を奪った。1970年には自己最多の23勝(7敗)をあげ、防御率3.12で2回目のサイ・ヤング賞を受賞した。打撃にも才能をみせ、通算打率2割6厘、ホームラン24本を打った。守備にも定評があり、守備が優れていた選手に贈られるゴールドグラブ賞を9年連続で受賞した。オールスター・ゲームにも8回出場した。現役生活17年間をカージナルス一筋で送った。

 17年間の通算成績は、登板試合528、投球回3884と3分の1、251勝174敗、防御率2.91、奪三振3117、完投255、完封56。獲得したおもなタイトルは、最多勝利1回、最優秀防御率1回、最多奪三振1回、サイ・ヤング賞2回、MVP1回、ゴールドグラブ9回。1981年に野球殿堂入り。2020年10月2日、膵臓がん死去

[出村義和]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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