日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ギルバート(Sir William Schwenck Gilbert)
ぎるばーと
Sir William Schwenck Gilbert
(1836―1911)
イギリスの劇作家。公務員や弁護士の仕事をするかたわら雑文や戯曲を書き、鋭い風刺を機知とユーモアで包んだその作風が高く評価されることもあったが、なんといっても彼の名声を不朽にしたのは、1871年から25年間に作曲家のA・サリバンと組んでつくった14編の喜歌劇であった。これらは『軍艦ピナフォー』(1878)、『ペンザンスの海賊』(1879)、『ミカド』(1885)を代表作とする軽妙なコミック・オペラで、社会の陋習(ろうしゅう)や人間の偽善に対する風刺、機知に富んだ台詞(せりふ)、笑劇風のおかしみにあふれ、その大部分がロンドンのサボイ劇場で初演されたため、サボイ・オペラとよばれ、今日までイギリス人に親しまれている。
[中野里皓史]
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