クサビラゴケ(読み)くさびらごけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クサビラゴケ」の意味・わかりやすい解説

クサビラゴケ
くさびらごけ
[学] Ochrolechia trochophora Oshio

地衣類トリハダゴケ科の1種。ブナなどの樹皮に生える固着地衣で、地衣体は灰白色ないし褐色で、放射状に広がり、粉芽や裂芽はできない。子器は円盤状になる。日本全国の山地にみられ、北アメリカ、ヒマラヤにも分布する。ブナにはクサビラゴケ(ニクイボゴケ属)などとよく似たトリハダゴケ科トリハダゴケ属の固着地衣も多い。トリハダゴケ属の地衣にはオオトリハダゴケPertusaria variolosa、ヒメコブトリハダゴケPertusaria subobductansなどがある。また、チャシブゴケ科のチャシブゴケLecanora allophanaもブナの樹皮などに生える。

[佐藤正己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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