クラトン(英語表記)kraton

デジタル大辞泉 「クラトン」の意味・読み・例文・類語

クラトン(〈ドイツ〉Kraton)

地殻変動が終わり、もはや造山運動を受けなくなった安定した地塊剛塊

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改訂新版 世界大百科事典 「クラトン」の意味・わかりやすい解説

クラトン
kraton

王(ラトゥratu)の居所に由来するジャワ語で,インドネシアジャワ島マドゥラ島王宮を意味する。ジャワ島に現存するものでクラトンと称されるのは,ジョクジャカルタスラカルタにある四王家のものである。狭義のクラトンは王の館(ダラム),祭礼・宴式のための回廊(バンサ・クンチョノ)などからなる内廷(クダトン)とその前方の謁見所(バンサル・ウィトノ),式台所(シテンゲル),後方の役人詰所(クマガンガン)および前方・後方の広場(アルン・アルン)からなる。広義には城壁で囲まれた王都をさす。また王国を意味する場合もある。このようにクラトンは王宮であると同時に王都や王国でもあるが,それは王がラトゥ=パンディト(王=賢者)と称され,宇宙の秘蹟を知り,宇宙の秩序を現世で顕現する者であるという,ヒンドゥー的王国理念を示すものである。
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岩石学辞典 「クラトン」の解説

クラトン

もはや造山運動を受けなくなった地帯で,地殻の相対的に安定な部分.コーベルのクラトーゲン(kratogen)のことで,クラトンは大陸地域の陸剛塊(hochkraton)と大洋地域の海洋剛塊(tiefkraton)に分けられる[Kober : 1923, Stille : 1936, 木村ほか : 1973].近年大洋底の拡大の考えからクラトンは大陸地域に限られる[Aubouin : 1965].ギリシャ語のkratosは強さ,強度の意味.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラトン」の意味・わかりやすい解説

クラトン
Kraton

インドネシアのジャワ島とマドゥラ島の王宮。広義には王都全体をさす。現存するのはジョクジャカルタの王宮 (1682) ,およびスラカルタの4王家の王宮のみであるが,かつては各地に建設された。クラトンにはジョグロと呼ばれるジャワの伝統的な建築形式の建物が用いられており,アルン・アルン (広場) を囲む形で,ダラム (王の館) ,回廊,内廷,謁見所などから成る。

クラトン
craton

先カンブリア時代に形成された安定大陸造山帯に対する概念。楯状地とほぼ同義。剛塊ともいう。

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百科事典マイペディア 「クラトン」の意味・わかりやすい解説

クラトン

剛塊

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