日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
クラーク(Alvan Clark)
くらーく
Alvan Clark
(1804―1887)
アメリカの望遠鏡製作者。1824~1844年は肖像画家として働いていたが、1846年光学会社を設立、もっぱら望遠鏡の製作に従事し、大型かつ精密な望遠鏡の提供により、近代天文学の発展に貢献した。彼の製作になるおもな望遠鏡は、プリンストン大学(口径23インチ)、海軍天文台およびバージニア大学(26インチ)、プルコボ天文台(30インチ)などに設置された。
長子グラハムAlvan Graham Clark(1832―1897)も父の技(わざ)を継ぎ、1862年製作の18インチ望遠鏡は、その試観測の機会にシリウスの伴星(白色矮星(わいせい))を発見、検出した。ついで1888年にリック天文台に36インチ鏡を、さらに1889年にヤーキス天文台に40インチ鏡を設置した。後者は現在でも世界最大の屈折鏡である。
[島村福太郎]
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