クラーク(Colin Grant Clark)(読み)くらーく(英語表記)Colin Grant Clark

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

クラーク(Colin Grant Clark)
くらーく
Colin Grant Clark
(1905―1989)

イギリスの経済学者、統計学者。オックスフォード大学化学を学んだが、のちに経済学や統計学の研究に転じた。ハーバード大学助手、ケンブリッジ大学講師などを経て、1937年オーストラリアに渡り、メルボルンシドニーなどの大学の客員講師を歴任し、またオーストラリア労働産業省の次官などの官職についたこともある。その後53年にイギリスに帰り、オックスフォード大学農業経済学研究所所長になった。彼は、主著『経済進歩の諸条件』The Conditions of Economic Progress(1940)において、各国の統計を利用して国際単位という統計学的操作によって国民所得の国際比較を行ったが、そのなかで産業を第一次、第二次、第三次の三つに分け、経済発展に伴って産業構造が第一次から第二次へ、さらに第二次から第三次産業へと比重を移していくことを実証的に明らかにし、ペティ法則と名づけた。

志田 明]

『大川一司他訳篇『経済進歩の諸条件』上下(1968・勁草書房)』『杉崎真一訳、馬場啓之助監修『人口増加と土地利用』(1973・農政調査委員会)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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