クリプトン化合物(読み)クリプトンカゴウブツ

化学辞典 第2版 「クリプトン化合物」の解説

クリプトン化合物
クリプトンカゴウブツ
krypton compound

短寿命の分光学的または質量分析法によってのみ観測されるものとしては,Kr2,ArKr,KrXe,KrXe,HeKr,NeKr,KrH,LiKr,NaKrなどがある.計算によればKr-H解離エネルギーは3.70 eV である.水,ヒドロキノン,フェノール包接化合物をつくる.実験的に定められた組成はKr・6H2O,[C6H4(OH2)]3・0.67 Krなどである.本当の意味の化合物としては,フッ化クリプトンKrF2が最初に合成された.

F2:Kr = 2:1
の混合物の低温放電により,無色結晶として得られた.室温で不安定である.分解するとフッ素を与えるので強いフッ化剤である.ほかにクリプトン酸塩,低温固相で,HKrF,HKrCl,HKrCNの合成が報告されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android