クレオール語(読み)クレオールご(英語表記)creolized language

精選版 日本国語大辞典 「クレオール語」の意味・読み・例文・類語

クレオール‐ご【クレオール語】

〘名〙 二つ以上の言語が接触してピジン語が形成された後に、それが使用地域の人々全体にとっての母語となってしまった場合の言語をいう。カリブ海域のハイチ語、インド洋のセイシェル語、西アフリカのシエラ‐レオネのクリオ語などがよく知られている。→ピジン語

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デジタル大辞泉 「クレオール語」の意味・読み・例文・類語

クレオール‐ご【クレオール語】

主としてヨーロッパの言語と非ヨーロッパの言語が接触して成立した混成語うち、母語として話されているもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「クレオール語」の意味・わかりやすい解説

クレオール語 (クレオールご)
creolized language

植民地などで外来移住民の言語と土着の言語が接触した結果生じた言語。混交語混成語ともいう。さまざまな言語間の混成が起こりうるが,クレオール語として有名なのは西太平洋で行われるビーチ・ラ・マールBeach-la-Marや,中国人が商業上用いるピジン・イングリッシュである。文法の簡易化がその特徴である。
クレオール
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世界大百科事典(旧版)内のクレオール語の言及

【ポルトガル語】より

…ポルトガル(人口約1000万)およびブラジル(人口約1億2700万)の国語として両国(ポルトガルの領有するアゾレス諸島,マデイラ諸島を含む)で行われているほか,近年ポルトガルから独立したアフリカのアンゴラ,モザンビーク,カボベルデ,ギニア・ビサウ,サントーメ・プリンシペにおいても,ポルトガル語は公用語としての地位を保っている。また,15世紀以降のポルトガルの海外発展を背景に,アジアやアフリカの各地で現地語との接触を通じて形成されたポルトガル語系のクレオール語が,一部の地域(スリランカ,澳門(マカオ),カボベルデ,ギニア・ビサウなど)で今日もなお使用されている。なお,中世のガリシア・ポルトガル語(後述)から分化したガリシア語Galicianは,ポルトガルの北に位置するスペインのガリシア地方に約200万人の話し手を有している。…

【モーリシャス】より

…正式名称=モーリシャス共和国Republic of Mauritius面積=2040km2人口(1996)=114万人首都=ポート・ルイスPort Louis(日本との時差=-5時間)主要言語=クレオール語,ヒンディー語,英語(公用語)通貨=モーリシャス・ルピーMauritius Rupeeマダガスカル島の東方約800km,インド洋上のほぼ南緯20゜,東経57゜30′にあるモーリシャス島(面積1865km2)を主島とし,東方,東経63゜30′のロドリゲス島Rodrigues Island(面積109km2。人口約3万),北方,南緯10゜付近のアガレガ諸島などの小島(計71km2)をあわせた独立国。…

【ロマンス語】より

…一方,近代以降におけるロマンス語諸国の海外発展を背景に,ポルトガル語がブラジルに,スペイン語がブラジルを除く中南米諸国に,フランス語がカナダの一部に根を下ろすなどしてロマニアの領域が著しく拡大したこと,また日常語としての使用のほか,フランス語やスペイン語などのロマンス語が今日,政治,経済,文化の各分野で国際共通語として重きをなしていることは周知の通りである。さらに,ポルトガル語やフランス語を基盤にして形成されたいくつものクレオール語が世界中に広く分布していることも注目される。
[歴史]
 さて,ロマンス語の源がラテン語にあることはすでに記したが,そのロマンス語の出発点にあたるラテン語は,古典ラテン語に代表される高度に洗練された書き言葉ではなく,ローマ人またローマ化された人々が日常の話し言葉として用いる,いわゆる〈俗ラテン語Vulgar Latin〉であった。…

※「クレオール語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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