クロツバメシジミ(読み)くろつばめしじみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロツバメシジミ」の意味・わかりやすい解説

クロツバメシジミ
くろつばめしじみ / 黒燕小灰蝶
[学] Tongeia fischeri

昆虫綱鱗翅(りんし)目シジミチョウ科に属するチョウ。本州、四国、九州(壱岐(いき)、対馬(つしま)を含む)に分布、東北地方、北海道には産しない。特殊な環境(ベンケイソウ科植物の生える岩場河川敷海浜荒れ地)に生活するので、その産地は局部的である。外国では朝鮮半島、中国、アルタイに分布する。はねの開張は22~25ミリメートル程度。はねの色彩、斑紋(はんもん)は雌雄とも同じで、雄でもツバメシジミのような藍色(らんしょく)鱗は発達しない。後ろばねの尾状突起はきわめて短い。年2~4回の発生(5~11月)。幼虫の食草はベンケイソウ科植物で、ツメレンゲイワレンゲマンネングサタイトゴメなどの葉や茎に食い入って葉肉を食べる。越冬態は幼虫である。

白水 隆]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のクロツバメシジミの言及

【ツバメシジミ】より

…幼虫のまま落葉の間で越冬する。 近縁のタイワンツバメシジミE.lacturnusは和歌山県~南九州に,クロツバメシジミTongeia fischeriは本州~九州の露岩地に,ゴイシツバメシジミShijimia mooreiは九州中部の原生林に分布する。【高橋 真弓】。…

※「クロツバメシジミ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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