クーザン(Jean Cousin (le Père))(読み)くーざん(英語表記)Jean Cousin (le Père)

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

クーザン(Jean Cousin (le Père))
くーざん
Jean Cousin (le Père)
(1490ころ―1560ころ)

フランスの画家版画家。サンスに生まれ、同地の大聖堂のステンドグラスの画家として1530年来知られる。38年ごろからパリに在住し、タペストリー、ステンドグラスの下絵を描き、多くの版画の制作や、著作も行っている。アンリ2世のパリ入城の際には、ジャン・グージョンとともに凱旋(がいせん)門の装飾に携わる。油彩は『エバ・プリマ・パンドラ』(ルーブル美術館)などわずかな作品が彼に帰せられるだけである。しかし、フランス・ルネサンスの画家としての彼の名声は高く、バザーリによっても記されている。フォンテンブロー派と同時代であり、ロッソなどの影響も若干認められるが、独自にその道を開いたものと思われる。同名の息子(1522ころ―94ころ)も画家、版画家。

中山公男

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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