日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
グライダー(Carol W. Greider アメリカの生物学者)
ぐらいだー
Carol W. Greider
(1961― )
アメリカの生物学者。カリフォルニア大学バークリー校で博士号を取得。コールド・スプリング・ハーバー研究所研究員を経てジョンズ・ホプキンズ大学教授。2009年、ブラックバーン、ゾスタクとともに「テロメアとテロメア合成酵素による染色体保護の仕組みの発見」によりノーベル医学生理学賞を受賞した。
テロメアは、染色体の末端部分に位置する特定のDNA配列のことで、細胞が分裂するたびに短くなっていく。テロメアがある長さになると、細胞は分裂できなくなり、寿命を迎える。
ブラックバーンとゾスタクは、テロメアが染色体を損傷や劣化から保護していることを解明した。また、グライダーはブラックバーンとともにテロメアの長さを元に戻すテロメア合成酵素(テロメラーゼ)があることを発見した。テロメラーゼは、生殖細胞や幹細胞にもあり、老化現象と関係があるともいわれている。遺伝病や癌(がん)とも深くかかわっていることがわかり、病気の予防研究の開発などへの道も開いた。
[馬場錬成]
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