グリース(潤滑剤)(読み)ぐりーす(英語表記)grease

翻訳|grease

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリース(潤滑剤)」の意味・わかりやすい解説

グリース(潤滑剤)
ぐりーす
grease

半固体の潤滑剤で、潤滑油に金属せっけんなどの粘稠(ねんちゅう)剤を練り合わせてつくるバター状のものである。基油の潤滑油は通常鉱油であるが、特殊用途にはシリコーン油ポリエステル、ポリグリコールなどが用いられる。金属せっけんとしては、カルシウムナトリウムアルミニウムバリウムリチウムなどの脂肪酸塩が多く用いられる。数種類のグリースのうち、鉱油とカルシウムせっけんからつくられるカップグリースがもっとも広く使用されており、粘度がきわめて高く、含有する粘稠剤が金属表面に吸着層を形成するため荷重に耐える性能が大きい。このため、軸受に対する回転軸の荷重の大きい箇所、給油しにくい箇所、潤滑油の流れ出すことを嫌う箇所などに使用する。グリースカップに一度給油しておくと長時間使用できる長所があるが、放熱性が悪いので、温度上昇がおこるという欠点がある。

[難波征太郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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