日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
グルー(Nehemiah Grew)
ぐるー
Nehemiah Grew
(1641―1712)
イギリスの医師。ウォーリックシャーの牧師の子として生まれる。ライデン大学で医学を学び、帰国後、コベントリーで、のちロンドンで開業。医業のかたわら動植物の研究にふけり、一時期フックとともにロイヤル・ソサイエティーの書記を務めた。主著の『植物解剖学』The Anatomy of Plants(1682)は、当時の最高水準のもので、植物各部の縦断面や横断面の顕微鏡観察の成果が、83葉の精密で美しい銅版画で示されている。彼は、植物体はレース状に編まれた繊維によって構成されていると考えた。また、雄しべと雌しべの生殖的役割を初めて明らかにした。
[檜木田辰彦]
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