グレアム(Frank Dunstone Graham)(読み)ぐれあむ(英語表記)Frank Dunstone Graham

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

グレアム(Frank Dunstone Graham)
ぐれあむ
Frank Dunstone Graham
(1890―1949)

アメリカの経済学者。カナダ南東部のノバ・スコシア州ハリファックスに生まれ、ダルハウジー大学、ハーバード大学に学んだ。ラトガース大学講師、ダートマス大学助教授を経て、1921年にプリンストン大学助教授、1925年に準教授、1930年に教授に就任し、1949年までその職にあった。主として国際貿易理論を研究し、国際価値論については、J・S・ミルやA・マーシャルの相互需要説に対して批判的な立場をとり、交易条件は生産費によって決定されるとする生産費説を展開した。彼はまた、生産が収穫逓増(ていぞう)のもとで行われる場合には保護貿易が正当化されることを主張した。おもな著作は『国際価値論』The Theory of International Values(1948)。

志田 明 2018年7月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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