日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
グレー(Charles Grey, 2nd Earl Grey)
ぐれー
Charles Grey, 2nd Earl Grey
(1764―1845)
イギリスの政治家。1786年下院議員になり、以後ホイッグ党のフォックスに従った。1792年に議会改革を主張する「人民の友協会」を創立し、1793年と1797年に議会改革を提案したが、保守的な政界の支持を得られなかった。またフランス革命に干渉し国内の政治運動を弾圧するピット(小)政府に反対を続けた。1806年グレンビル‐フォックスの連立内閣の海相に就任、フォックスの死後は外相に転じた。1807年に下野したのち、上院(貴族院)に移って野党ホイッグ党の指導者として自由主義的な立場から歴代のトーリー党政府に反対した。1830年に首相となり、トーリー党自由主義派をも含めたホイッグ党内閣を組織し、1831年には議会改革を提案した。改革には上院が猛烈に反対したが、民衆の支持も得て反対を克服し、1832年6月に穏健な内容をもった選挙法改正法を成立させた。1834年、アイルランド問題をめぐる閣内の不一致から、首相の座をメルバーンに譲った。
[青木 康]
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