グレート・ウェスタン号(読み)ぐれーとうぇすたんごう(英語表記)Great Western

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グレート・ウェスタン号」の意味・わかりやすい解説

グレート・ウェスタン号
ぐれーとうぇすたんごう
Great Western

最初大西洋横断定期航路用として1838年に建造されたイギリスの木造汽船。1321総トン、長さ72メートル。船内の約半分の容積は、エンジンボイラー、外輪回転のための装置で占められていた。38年4月8日にイギリスのブリストルを出発して、4月23日にニューヨーク到着、15日間で大西洋を横断する当時の記録をたてた。平均速力は8ノット。ニューヨーク到着時に、予備炭庫に200トンの石炭が残っており、経済性に優れていたことでも有名である。

[茂在寅男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のグレート・ウェスタン号の言及

【汽船】より

…蒸気船による最初の大西洋横断は,1819年,90馬力の蒸気機関を積んだサバンナ号によるもので,27日と11時間かかっているが,全航程中,蒸気力で走ったのは1/8で,後は帆走であったとされている。蒸気力だけで大西洋を横断したのは38年のイギリスの蒸気船シリウス号Sirius(703総トン,320馬力)とグレート・ウェスタン号(1321総トン,750馬力)で,同じ日であり,前者のニューヨーク到着が4時間早かった。しかし,所要日数は前者が19日半かかったのに対し後者は15日半で横断している。…

※「グレート・ウェスタン号」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android