グローマ川(読み)グローマがわ(英語表記)Glåma

改訂新版 世界大百科事典 「グローマ川」の意味・わかりやすい解説

グローマ[川]
Glåma

ノルウェーで最も長く,最も水量の多い川。全長611km。中部ノルウェーのドブレ山地に発し,国の南東部を流れ,スウェーデン国境に近いフレドリクスタでオスロ・フィヨルドに注ぐ。下流部はグロンマ川Glommaとも呼ばれる。中・下流には森林帯が広く,冬に伐採され,夏は筏(いかだ)にして川を流し,下流には製材所やパルプ工場が多かったが,最近は著しく減少し,代わって水力発電所が増えた。中世以来,下流部はスウェーデンに対する自然の防衛線で,歴史的な城砦がいくつか残っている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グローマ川」の意味・わかりやすい解説

グローマ川
グローマがわ
Glåma

ノルウェー南東部を流れる川。全長 598km (スカンジナビア半島最長) 。スウェーデンとの国境に近い小湖群を水源としてアウルスン湖 (エイルスン湖。湖面標高 689m) に流入し,ここから下流がグローマ川と呼ばれる。エステルダールをほぼ南に向って曲流し,サルプスボルを経てスカゲラク海峡に注ぐ。滝は多いが落差が小さく,水力発電には通常数個の滝をせきとめ落差を大きくして利用している。滝や発電所のあるところでは迂回水路が建設され,年間約 1200万本の木材が運ばれる。河口からサルプスボルまでは船舶航行が可能。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グローマ川」の意味・わかりやすい解説

グローマ川
ぐろーまがわ
Glåma

ノルウェー南東部を流れる同国最長の川。グロンマ川Glommaともいう。スウェーデン国境に並行しながら南流して、オスロの東でスカゲラク海峡に注ぐ。長さ598キロメートル。スウェーデン国境との間の森林地帯から切り出される木材は、グローマ川によって搬出される。下流部にみられるひと続きの滝は、豊かな水量と相まって発電に利用されている。

[竹内清文]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android