ケイ(珪)ニッケル鉱(読み)けいニッケルこう

改訂新版 世界大百科事典 「ケイ(珪)ニッケル鉱」の意味・わかりやすい解説

ケイ(珪)ニッケル鉱 (けいニッケルこう)
garnierite

含水ニッケルマグネシウムケイ酸塩鉱物で蛇紋石族の一種。化学成分はH2(Ni,Mg)SiO4nH2Oという式で表せるが,ニッケルとマグネシウムの割合,および水の量が大きく変化する。一般に非晶質だが結晶しているものは単斜晶系と考えられている。ふつうは土状ないし腎臓状を呈して産する。比重2.2~2.8,モース硬度2~3,色は緑色ないし白色で鈍い光沢を示す。顕微鏡下では緑色。含ニッケルカンラン岩の変質によって生ずる二次的鉱物である。ニューカレドニアでは重要なニッケル鉱石として採掘されており,クロム鉄鉱などを伴って蛇紋岩中に産する。その他の産地はロシア,南アマダガスカル,スラウェシ(セレベス)等である。
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百科事典マイペディア 「ケイ(珪)ニッケル鉱」の意味・わかりやすい解説

ケイ(珪)ニッケル鉱【けいニッケルこう】

ニッケルの主要な鉱石。超苦鉄質岩風化によって生成し,ラテライト,蛇紋岩中に土状またはブドウ状をなして産する。緑色または白色で鈍い光沢をもち,柔らかく,砕けやすい。ニューカレドニア,キューバなどが主産地

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世界大百科事典(旧版)内のケイ(珪)ニッケル鉱の言及

【ニッケル】より

…1751年,スウェーデンの鉱物学者クロンステットA.F.Cronstedt(1722‐65)が初めてこれから新しい元素をとり出し,Kupfernickelにちなんでニッケルと命名した。おもな鉱石はペントランド鉱,ケイニッケル鉱,針ニッケル鉱,紅ヒニッケル鉱などである。隕石中にも存在し,地球の中心部には鉄とともに大量に存在すると考えられている。…

※「ケイ(珪)ニッケル鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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