ケント紙(読み)ケントし

精選版 日本国語大辞典 「ケント紙」の意味・読み・例文・類語

ケント‐し【ケント紙】

〘名〙 (ケントは Kent 原産地であるイギリス地名から) 洋紙一種。純白の上質紙でやや粗面。ふつうはケミカルパルプ原料図画製図用紙、名刺用紙などに用いられる。ケント。〔造本印刷(1948)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ケント紙」の意味・読み・例文・類語

ケント‐し【ケント紙】

純白で緻密ちみつな上質紙。綿ぼろ・化学パルプなどで作られ、製図・絵画・印刷などに用いる。英国ケント州で初めて製造された。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ケント紙」の意味・わかりやすい解説

ケント紙 (ケントし)

化学パルプを100%原料とした,純白で固く締まった上質の図画用紙。比較的厚手でインキがにじまず,消しゴムで消しても毛羽立たないが,鉛筆で書きやすいようないくぶんざらついた面をもつ。イギリスのケントKent地方ではじめて作られたので,この名称日本で用いられている。主用途は製図用であるが,名刺やカレンダーにも使用される。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケント紙」の意味・わかりやすい解説

ケント紙
けんとし
Kent paper

イギリスのケント地方で初めて製造された画用紙。純白で紙質は硬く、おもに製図用にする。わが国では名刺、カレンダーにも用いる。一般には主原料として化学パルプを用いるが、高級品は、綿ぼろを精製した綿パルプを用いて抄造し、表面サイズ(膠(にかわ)状の液を塗布する)を施して粗面に仕上げる。

[御田昭雄 2016年4月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ケント紙」の意味・わかりやすい解説

ケント紙【ケントし】

純白で紙面が緻密(ちみつ)な高級製図用紙。名刺用紙にも使われる。英国のケント地方で初めて作られたのでこの名がある。化学パルプを原料とし,粗面に仕上げるのが普通であるが,高級品は木綿ぼろを原料とする。
→関連項目図画用紙

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケント紙」の意味・わかりやすい解説

ケント紙
ケントし
kent paper

高級紙の一種。色調は純白で,紙質は硬く締っている。イギリスのケント地方で初めてつくられたのでこの名がある。化学パルプでつくるが,ごく高級品は木綿など天然繊維を加えることもある。図画,製図用のほか,名刺などにも用いる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android