ゲイ-リュサック(読み)ゲイリュサック

化学辞典 第2版 「ゲイ-リュサック」の解説

ゲイ-リュサック
ゲイリュサック
Gay-Lussac, Joseph Louis

フランスの化学者,物理学者.1797年エコール・ポリテクニークに入学し,卒業後,土木橋梁学校に入ったが,C.L. Berthollet(ベルトレ)に注目され,助手となった.のちに,エコール・ポリテクニークの化学教授となる.1801年から翌年にかけて,気体体積と温度との関係を精密に測定し,いわゆるシャルルの法則を確立し,膨張率を1 ℃ につき0 ℃ のときの体積の1/266.66とした.1804年軽気球に乗り,空気の採取などの科学的調査を行った.1805年Alexander von. Humboldtと一緒に精密な実験を行い,水素気体と酸素気体は,2:1に非常に近い体積比で結合して水になることを確かめた.3年後には,ほかの気体どうしの反応を調べ,気体反応の法則を確立した.1806年フランス学士院会員(物理学部門)に選ばれた.パリに大学レベルの理学校(faculté des sciences)が創設された際,物理学教授に就任したが,1832年には辞任して,自然史博物館の化学教授になった.かれは,化学工業にも関心をもち,鉛室法による硫酸製造の際に生じる酸化窒素回収のため,ゲイ-リュサック塔を考案した.さらに,それまで主流であった重量分析に対し,容量分析法を確立し,そのための道具(ピペットビュレットなど)を考案した.何度か国民議会の代議員に選ばれ,1839年には上院議員に任命された.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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