ゲットウ(読み)げっとう

改訂新版 世界大百科事典 「ゲットウ」の意味・わかりやすい解説

ゲットウ (月桃)
shell flower
shell ginger
Alpinia speciosa(Wendl.)K.Schum.

ショウガ科ハナミョウガ属(アルピニアAlpinia)に属する花の美しい多年草。ハナミョウガ属は旧世界の熱帯に150種を産し,このうち日本にもハナミョウガなど数種があり,また観賞用に栽植されるものも20種ほどある。ゲットウは高さ3mに達し,茎が株立ち,長さ60~80cmの披針形の葉を互生し,茎頂部から穂状に花が下垂してつく。花は白く肉質で,唇状の花弁の縁は黄色くその縁に赤色の斑点が入る。キフゲットウcv.Variegataはゲットウの斑(ふ)入品種で葉の両側に黄色の斜線模様が入り,この葉は生花用に八丈島で栽培されている。ゲットウ類のうち,花が赤く美しいレッド・ジンジャーA.purpurata(Vieill.)K.Schum.(英名red ginger)は,ハワイの切花として有名。フイリゲットウA.sanderae Sand.はニューギニアの原産で,高さ1.5~2m,葉は長さ30cm,幅5cm以上となり,濃緑地で主脈の両側に乳白の斜線模様がなん本も入る。シロフイリゲットウも斑入品種で,昭和20年代に奄美大島で発見され,濃緑の葉に白色の斜線模様が等間隔に入る。

 ゲットウ類の長大な茎(葉鞘(ようしよう)のまき重なった偽茎)は裂いて,マットロープを作る。また葉は屋根ふきや壁に利用されることがある。ゲットウは性質が強いが,ほかの種は冬は12~15℃以上を保ち,夏は半日陰に置く。土は腐植土好み,繁植は株分けで5~6月に行う。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲットウ」の意味・わかりやすい解説

ゲットウ
げっとう

アルピニア

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