コッサ(英語表記)Francesco del Cossa

改訂新版 世界大百科事典 「コッサ」の意味・わかりやすい解説

コッサ
Francesco del Cossa
生没年:1436ころ-78

イタリア画家フェラーラ生れ。C.トゥーラ,エルコレ・デ・ロベルティErcole de’Roberti(1450ころ-96)とともに,15世紀フェラーラ派の重要な画家。代表作スキファノイア宮殿月暦の間〉の壁画(1470ころ)は,君主ボルソ・デステの注文によるもの。それは古代以来の月暦画伝統と占星術的思想,古代神話のイメージと風俗画的要素の混在した特異な作品である。彼の様式には,A.マンテーニャの厳格な描法とゴシック的装飾性の双方がうかがえる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コッサ」の意味・わかりやすい解説

コッサ
Cossa, Francesco del

[生]1436. フェララ
[没]1478. ボローニャ
イタリアの画家。おもにボローニャで活躍したが,初期にはフィレンツェで修業していたことが当時の画風から推測できる。個性的な画風の確立に影響を与えているのはアンドレア・マンテーニャおよびピエロ・デラ・フランチェスカやコズメ・トゥーラ絵画であるところから,出生地フェララ派の画家とされる。最も有名な作品は,フェララの領主ボルソ・デステ公の別邸スキファノイア宮に描いた『月暦』連作壁画(→月暦画)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コッサ」の意味・わかりやすい解説

コッサ
こっさ
Francesco del Cossa
(1436ころ―1478)

イタリアの画家。フェッラーラに生まれ、おもに生地とボローニャで壁画や祭壇画を制作した、いわゆるフェッラーラ派を代表する画家の一人。現存作品中もっとも名高く、よく彼の特徴を伝えるのは、スキファノイア宮殿(フェッラーラ)の一連の壁画『月暦』(うち3月」「4月」「5月」が彼に帰せられる。1469~70)である。ボローニャでペストのため没したと伝えられる。

[石鍋真澄]

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世界大百科事典(旧版)内のコッサの言及

【フェラーラ】より

…大聖堂付属美術館には,幻想的・怪奇的表現に傾くC.トゥーラのオルガン扉絵《受胎告知》(1469)がある。彼は〈フェラーラ派〉の開祖とされ,続くF.delコッサはボルソの注文でスキファノイア宮殿〈月暦の間〉に特異な図像で知られるフレスコ(1470ころ)を描いた。【五十嵐 ミドリ】 国立フェラーラ美術館は,外壁のダイヤモンド・カットのような切石積みを特徴とするパラッツォ・デイ・ディアマンティ(ダイヤモンド宮殿,1492‐1565)の2階の20室を占め,14世紀以降のフェラーラ派絵画の収集を誇る。…

※「コッサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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