日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コルネリウス(Hans Cornelius)
こるねりうす
Hans Cornelius
(1863―1947)
ドイツの実証主義哲学者。ミュンヘンで生まれ、1903年以降母校のミュンヘン大学で教えたあと、1910年フランクフルト大学教授となる。新カント主義とマッハを中心とする反形而上(けいじじょう)学の実証主義の間に位置して、彼自身は認識のいっさいを感覚的経験の直接所与に還元することを主張し、こうして哲学の基礎を心理学に置いた。しかしマッハ流の純粋な経験論に対しては、これら意識経験の究極の根拠を、むしろカント的な統覚にみようとした。著書に『経験科学としての心理学』Psychologie als Erfahrungswissenschaft(1897)や『造形芸術の基本法則』Elementargesetze der bildenden Kunst(1908)などがある。
[西村清和 2015年2月17日]
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