日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コルベ(Maksymilian Kolbe)
こるべ
Maksymilian Kolbe
(1894―1941)
ポーランドの聖職者。フランシスコ修道会士として、1912~19年にローマのグレゴリア大学で哲学、神学を学び、帰国後、22年からクラクフで『聖母の騎士』誌を発刊した。その後アジアでの伝道を志し、30年来日し、長崎に養護施設「聖母の騎士園」を設立し、伝道に努めた。36年カトリック管区会議に出席するため帰国したが、41年にナチス・ドイツ軍に捕らえられて、オシフィエンチムにあるアウシュウィッツ強制収容所に入れられた。同年8月同室者の脱走によって、見せしめの処刑のために選ばれた10人のうちの1人の身代りとなって、餓死の刑で死亡した。1971年にカトリックの福者に、82年には聖人に列せられた。
[安部一郎]
『アントニオ・リチャルディ著、西山達也訳『聖者マキシミリアノ・コルベ』(1982・聖母の騎士社)』▽『小崎登明著『長崎のコルベ神父』(1983・聖母の騎士社)』▽『ダイアナ・デュア著、山本浩訳『コルベ神父』(1984・時事通信社)』