コロンバス(アメリカ合衆国、オハイオ州)(読み)ころんばす(英語表記)Columbus

翻訳|Columbus

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

コロンバス(アメリカ合衆国、オハイオ州)
ころんばす
Columbus

アメリカ合衆国、オハイオ州中部、シオートー川に臨む同州最大の都市で州都。人口71万1470(2000)。人口減少の目だつ大都市のなかでは増加傾向が続く都市で、商工業、教育、文化の中心地として知られる。州都であるため、労働人口の5分の1ほどが州および市関係機関で働き、第二次産業就労者も同様に多い。主要産業となる工業は、天然ガス石炭などの工業原料入手が簡単な地理的条件や豊富な労働力に恵まれ、石炭掘削機械、コンクリートミキサー、自動車部品、ガラス製品、家庭用品など多種製品がつくられる。また、同市の性格形成に強い影響を与えているのがオハイオ州立大学(1870創立)で、合衆国有数のマンモス大学であると同時に、世界的にレベルの高い優れた研究施設をもち、ほかの多くの大学、研究所などとともに科学技術研究の担い手としての役割を果たしている。1812年町が建設され、16年同州の州都となる。1831年のオハイオ・エリー運河の培養水路の建設や、50年の鉄道の乗り入れなどで交通の要所商業の中心地となった。一時バギー(貨物列車車掌車)の生産地として知られたが、本格的な工業の発展は1940年航空機会社の進出以降である。近年シオートー川が横切るダウンタウン地域の再開発が進み、州議事堂やオハイオ・センター、近代的な商店街などが集合して同市の中心をなす。コロンバス美術館、考古歴史博物館や、世界最大のバラ園をもつアメリカバラ協会の本部所在地でもある。

[作野和世]

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