日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コンスタンティノス(10世)
こんすたんてぃのす
Konstantinos Ⅹ
(?―1067)
ビザンティン帝国皇帝(在位1059~67)。イサキオス1世の退位後、文人政治家プセロスの推挙により即位。首都コンスタンティノープルの都市貴族政権の代表として、軍事派を押さえて反軍国主義を唱え、軍事費を削り、国防を怠り、詩歌や文芸の道を奨励した。そのためバルカン半島ではマジャール人によりベオグラードを占領され(1064)、同年テッサロニキはウズ人に包囲された。また、1065年にはアルメニア(ビザンツ保護領)の中心都市アニがセルジューク・トルコのスルタン、アルプ・アルスラーンにより占領されるに至った。国の東西から外敵の侵入が始まり、マケドニア朝の繁栄は彼の治世下に崩壊するに至る。
[和田 廣]