日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コンスタンティノス(8世)
こんすたんてぃのす
Konstantinos Ⅷ
(960ころ―1028)
ビザンティン帝国皇帝(在位1025~1028)。ロマノス2世Romanos Ⅱ(939―963)の次男で、父の死後、兄バシレイオス2世とともに母テオファノTheophano(生没年不詳)の摂政(せっしょう)の下に共同皇帝の地位につく。兄が正帝として即位(976)したのちも、その地位は変わらなかった。兄の死後ようやく正帝として即位したが政務を好まず、享楽的生活を好み、名目上の皇帝であった。帝国は、その間、ドナウ川南岸の旧ブルガリア領に居座ったスビャトスラフSvyatoslav Igorevich(?―972)王を駆逐(971)、テマ・ブルガリアを新設(1014)、さらに小アジア以東の地へ領土拡大を図り、キエフ大公のウラジーミル王との間に通商条約を締結(988)し、アルメニア王国を保護領とする(1021)など繁栄を続けた。
[和田 廣]