コーエン,P.J.(読み)こーえん

世界大百科事典(旧版)内のコーエン,P.J.の言及

【数学基礎論】より


[公理的集合論]
 ラッセルの逆理などカントルの集合論で現れたいくつかの逆理は,あまりにも多くの要素をもつようなものを集合と考えることによって生ずるものであって,これらの逆理は,まもなく,E.ツェルメロらによる集合論の公理化によって,集合の生成原理を明確に規定することにより回避できるようになった。公理的集合論における最大の成果はカントルの集合論が出現以来の中心的課題の連続体仮説の解決であって,ゲーデルおよびコーエンP.J.Cohenに負うている。 1908年,ツェルメロによって初めて提示された集合論の公理系は,22年にフレンケルA.A.Fraenkelによって補強され,次いでJ.フォン・ノイマンによる記号論理を用いて形式化や形式上の拡張を経て,P.ベルナイス,ゲーデルによって整備された。…

【連続体問題】より

…1940年,K.ゲーデルはツェルメロE.F.F.Zermelo(1871‐1953)とフレンケルA.A.Fraenkel(1891‐ )によって提出された集合論の公理系がその内部に矛盾を含んでいなければ,この公理系(ZF公理系)に連続体仮説と選択公理をつけ加えたものも内部に矛盾を含まないことを示した。さらに63年,コーエンP.J.Cohen(1934‐ )は,ZF公理系と連続体仮説と選択公理は独立であることを示した。したがってZF公理系と選択公理を使って連続体仮説の正否を決定することはできず,連続体仮説を正しいとしても,正しくないとしても集合論を展開することができる。…

※「コーエン,P.J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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