コーク(Sir Edward Coke)(読み)こーく(英語表記)Sir Edward Coke

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

コーク(Sir Edward Coke)
こーく
Sir Edward Coke
(1552―1634)

16世紀末から17世紀前半に至るイギリスの法や政治に多大な影響を与えたことで知られる法律家(専門家の間ではクックと発音されることが多い)。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジインナーテンプルで教育を受け、1578年にバリスター法廷弁護士)の資格を付与された。彼の経歴は3期に分けられる。第1期は1606年までの行政官としての時期であって、この間は、法務次官(1592~1593)、法務長官(1594~1606)を務め、国王大権の擁護者であった。第2期は1616年までの裁判官としての時期であって、民訴裁判所首席裁判官(1606~1613)、王座裁判所首席裁判官(1613~1616)を歴任したが、この時期には国王と対立するようになり、裁判官の地位を追われた。第3期は1634年に死去するまでの時期で、1620年に下院庶民院議員となり、1629年まで議会の反対派の指導者として活躍し、1627年の有名な権利請願を立案した。著作としては、『イギリス法提要』第1部~第4部(1628~1659)がよく知られている。

堀部政男

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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