ゴダール(Jean-Luc Godard)(読み)ごだーる(英語表記)Jean-Luc Godard

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゴダール(Jean-Luc Godard)
ごだーる
Jean-Luc Godard
(1930― )

フランスの映画監督。パリ生まれ。『カイエ・デュ・シネマ』誌などに映画批評を書きながら短編を数本撮ったのち、『勝手にしやがれ』(1959)で監督としてデビューし、その新鮮な映像感覚でヌーベル・バーグの先頭にたつ。以来『女と男のいる舗道』(1962)、『気狂(きちが)いピエロ』(1965)、『中国女』(1967)と、即興演出、映画や書物の引用、物語の攪乱(かくらん)、映像と音の乖離(かいり)、フィクションとノンフィクションの融合など、映画そのものを問いかける。1968年五月革命以後「ジガ・ベルトフ集団」を結成して、『東風』(1969)、『イタリアにおける闘争』(1970)など映画と政治の関係に向かうが、その後はビデオを中心とした「ソニマージュ工房」を設立し、『パート2』(1975)、『6×2』(1976)、『こことよそ』(1976)など日常問題を教育的に追求する。1978年にはカナダのモントリオールで自伝的映画史の講義を行い、1970年代後半から1980年代に入ると『勝手に逃げろ/人生』(1979)、『パッション』(1982)、『カルメンという名の女』(1983)など劇場用映画に復帰。その後も『ゴダールのリア王』(1987)、『ヌーヴェルヴァーグ』(1990)、『ゴダールの決別』(1993)など、映画やテレビなどでゴダールならではの独自の世界を旺盛(おうせい)に発表し続けている。

[村山匡一郎]

資料 監督作品一覧

水の話 Une histoire d'eau(1958)
コンクリート作業 Opération 'Béton'(1958)
男の子の名前はみんなパトリックっていうの Charlotte et Véronique, ou Tous les garçons s'appellent Patrick(1959)
勝手にしやがれ À bout de souffle(1959)
シャルロットとジュール Charlotte et son Jules(1960)
小さな兵隊 Le petit soldat(1960)
女は女である Une femme est une femme(1961)
新・七つの大罪~「怠惰」 Les sept péchés capitaux - La paresse(1962)
女と男のいる舗道 Vivre sa vie : Film en douze tableaux(1962)
カラビニエ Les carabiniers(1963)
ロゴパグ~「新世界」 Ro.Go.Pa.G. - Il nuovo mondo(1963)
軽蔑 Le mépris(1963)
はなればなれに Bande à part(1964)
時間の暗闇の中で Dans le noir du temps(1964)
世界詐欺物語~「立派な詐欺師」 Les plus belles escroqueries du monde - Le Grand escroc(1964)
恋人のいる時間 Une femme mariée(1964)
アルファヴィル Alphaville, une étrange aventure de Lemmy Caution(1965)
パリところどころ~「モンパルナスとルヴァロア」 Paris vu par...- Montparnasse-Levallois(1965)
気狂いピエロ Pierrot le fou(1965)
男性・女性 Masculin féminin(1965)
メイド・イン・U.S.A. Made in U.S.A.(1966)
彼女について私が知っている二三の事柄 2 ou 3 choses que je sais d'elle(1966)
愛すべき女・女(めめ)たち~「2001年愛の交換 未来」 Le plus vieux métier du monde - Anticipation, ou l'amour en l'an 2000(1967)
中国女 La chinoise(1967)
ベトナムから遠く離れて~「カメラの眼」 Loin du Vietnam - Camera-Eye(1967)
ウイークエンド Week End(1967)
ありきたりの映画 Un film comme les autres(1968)
ワン・プラス・ワン Sympathy for the Devil(1968)
愛と怒り~「愛」 Amore e rabbia - L'Amore(1969)
たのしい知識 Le gai savoir(1969)
ブリティッシュ・サウンズ British Sounds(1969)
東風 Le vent d'est(1969)
イタリアにおける闘争 Lotte in Italia(1970)
ウラジミールとローザ Vladimir et Rosa(1970)
万事快調 Tout va bien(1972)
うまくいってる? Comment ça va?(1975)
パート2 Numéro deux(1975)
ヒア&ゼア こことよそ Ici et ailleur(1976)
6×2 Six fois deux / Sur et sous la communication(1976)
勝手に逃げろ/人生 Sauve qui peut (la vie)(1979)
フレディ・ビアシュへの手紙 Lettre à Freddy Buache(1981)
パッション Passion(1982)
カルメンという名の女 Prénom Carmen(1983)
ゴダールのマリア Je vous salue, Marie(1984)
ゴダールの探偵 Détective(1985)
映画というささやかな商売の栄華と衰退 Série noire - Grandeur et décadence d'un petit commerce de cinéma(1986)
アリア~「アルミードとルノー」 Aria - Armide(1987)
ゴダールのリア王 King Lear(1987)
右側に気をつけろ Soigne ta droite(1987)
ゴダールの映画史 第1章 すべての歴史 Histoire(s) du cinéma : Toutes les histoires(1988)
ゴダールの映画史 第2章 単独の歴史 Histoire(s) du cinéma : Une histoire seule(1989)
ヌーヴェルヴァーグ Nouvelle vague(1990)
新ドイツ零年 Allemagne 90 neuf zéro(1991)
ゴダールの決別 Hélas pour moi(1993)
JLG 自画像 JLG/JLG - autoportrait de décembre(1995)
フォーエヴァー・モーツァルト For Ever Mozart(1996)
映画史特別編 選ばれた瞬間 Moments choisis des histoire(s) du cinéma(1998)
愛の世紀 Éloge de l'amour(2001)
時間の暗闇の中で Dans le noir du temps(2002)
10ミニッツ・オールダー イデアの森~「時間の闇の中で」 Ten Minutes Older : The Cello - Dans le noir du temps(2002)
アワーミュージック Notre musique(2004)
ゴダール・ソシアリスム Film socialisme(2010)

『ジャン・コレ著、竹村健訳『現代のシネマ1 ゴダール』(1969・三一書房)』『蓮實重彦・柴田駿監訳『ゴダール全集』全4巻(1970~1971・竹内書店)』『奥村昭夫編訳『ゴダールの全体像』(1979・三一書房)』『梶原和男責任編集『シネアルバム104 ゴダールの全映画』(1983・芳賀書店)』『アラン・ベルガラ編、奥村昭夫訳『リュミエール叢書30 ゴダール全評言・全発言Ⅰ 1950~1967』(1998・筑摩書房)』『アラン・ベルガラ編、奥村昭夫訳『リュミエール叢書31 ゴダール全評言・全発言Ⅱ 1967~1985』(1998・筑摩書房)』『細川晋監修『E/Mブックス2 ジャン=リュック・ゴダール』(1998・エスクァイアマガジンジャパン)』『杉原賢彦・編集部編『CineLesson 3 ゴダールに気をつけろ!』(1998・フィルムアート社)』『アラン・ベルガラ編、奥村昭夫訳『リュミエール叢書33 ゴダール全評言・全発言Ⅲ 1984~1988』(2004・筑摩書房)』『アラン・ベルガラ編、奥村昭夫訳『リュミエール叢書38 60年代ゴダール』(2012・筑摩書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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