ゴルトシュミット(Hans Goldschmidt)(読み)ごるとしゅみっと(英語表記)Hans Goldschmidt

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ゴルトシュミット(Hans Goldschmidt)
ごるとしゅみっと
Hans Goldschmidt
(1861―1923)

ドイツの化学工業家。ベルリンに生まれる。ハイデルベルク大学ブンゼンに化学を学んだのち、1881年エッセンで父の経営する化学工場に入り、テルミット法(アミノテルミー法、ゴルトシュミット法ともいう)を発明した。

 アルミニウム粉末を金属酸化物に混合し点火すると、アルミニウムと金属酸化物の酸素とが高温を発しながら結合し、金属酸化物が還元され、高温のため溶融状になった金属が得られる。このことを利用したのがテルミット法で、クロムコバルト、鉄、マンガンなどの冶金(やきん)に利用され、それぞれの炭素を含まない金属が得られる。この方法は金属の溶接にも使われ、鉄道レールなどの溶接に利用される。

[道家達將]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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